四字一句の２５０句でなる「千字文」は、中國古代より兒童の文字を學ぶ初步の敎科書として廣く利用され、日本では習字の手本としても古くから親しまれてきた。本書は千字文を口語に譯し、文選讀みという古い讀み方と、多くの興味深い逸話を含む李暹の「千字文注」の譯を加え、卷末に智永の眞蹟本「眞草千字文」を付した。

天地玄黃宇宙洪荒
 日月盈?辰宿列張
 寒來暑往秋收冬藏
 閏余成歲律呂調陽
 雲騰致雨露結爲霜
 金生麗水玉出防崗
 劒號巨闕珠稱夜光
 菓珍李〓菜重芥薑
 海鹹河淡鱗潛羽翔
 龍師火帝鳥官人皇〔ほか〕